妻沼聖天山

熊谷市が誇る国宝「妻沼聖天山」とは

日本三大聖天の1つ・妻沼聖天山は治承3年 (1179) 創建、平家物語等で義理人情に厚い人柄が称えられている斎藤別当実盛公が自らの守り本尊である大聖歓喜天を祀ったことに始まります。日光東照宮を彷彿とさせる事から「埼玉日光」とも言われ、霊験あらたかな縁結びの神様として広く慕われています。正月は初詣の参拝客で大変賑わい、また節分会や毎年4月と10月の例大祭など年間を通して様々な行事が行われています。

豪華絢爛、輝きを放つ歓喜院聖天堂

現在の本殿「歓喜院聖天堂」は宝暦10年(1760)、妻沼を中心とした庶民たちの浄財で、宮大工・林兵庫正清及び正信らの手によりによって建立され、250年の時を経て傷みや剥落が進んでいましたが、7年間にわたる平成の大修理の末、平成23年には建立当時の豪華絢爛な姿を蘇らせました。奥殿・中殿・拝殿の三棟が連なる権現造りの本殿は眩いばかりの精巧な彫刻で覆い尽くされ、様々な思想や文化を反映させた知性、そして大らかさと愛嬌とが共存した表情豊かさが魅力です。彫刻技術の高さと、このような建物の建造が幕府や大名など時の権力者の手によらず民衆の手により実現したという建立当時の背景などが評価され、平成24年には埼玉県の建造物としては初の国宝指定を受けました。

彫刻観覧のご案内
入場券700円(「彫刻解説シリーズ」付)
拝観受付時間午前10時~午後4時
1枚につき1名様限り有効です。(中学生以下のお子様は2名まで同伴可)
日時により、めぬまガイドボランティア「阿うんの会」による解説が聞けます。

妻沼聖天山プチ情報・1「本殿彫刻の猿たち」

彫刻で埋め尽くされた奥殿をぐるっと囲んで下から支えるかのように、可愛らしい猿が13匹います。それぞれが茶目っ気たっぷりのポーズや表情、ひとつひとつをじっくり眺めてみてください。猿はこのほか、南面の板戸に彫られた「猿に鷲」などにも登場しています。

妻沼聖天山は文化財の宝庫、見どころたくさん

妻沼聖天山は国宝指定されている本殿の他にも、国指定重要文化財の貴惣門や、平成28年に新たに国登録有形文化財となった歓喜院籠堂(かんぎいんこもりどう)・鐘楼・閼伽井堂(あかいどう)・三宝荒神社(さんぽうこうじんしゃ)・五社大明神・天満社・仁王門・水屋・平和の塔などがあり、境内はまさに文化財の宝庫です。また緑豊かで四季折々の美しさがあり、東国花の寺百ヶ寺「第二十七番」に指定されています。

貴惣門

威風堂々、高さ16mの聖天山第1の門。重層の特徴ある三破風を組合わせた豪壮な構造美は全国にも類例が少なく、国指定重要文化財となっています。左右には邪鬼を踏みつけながら立つ二天王像が立ち、江戸末期の造形技術を駆使した周囲の精巧な彫刻とともに、厳かな雰囲気を醸し出しています。

縁結びの中門

第2の門・別名で「四脚門は」、釘を一本も使わずに作られています。明治43年の利根川大洪水の際は門の約半分までが水に浸かり、今もその跡が残っています。また仲人業が盛んだった時代には、近隣の仲人は3つの門の中でも最も古く貴惣門と仁王門の間を取り持つ中門を男女の待ち合わせ場所に定め、ここで初顔合わせの後に本殿にお参りして数多くの良縁を結んだと伝えられ、縁結びのパワースポットとして話題にもなりました。

仁王門

本殿の前に位置する、優美な姿を誇る第3の門は、明治時代に台風により倒壊し再建されましたが、左右に控える近年修繕を終えたばかりの金剛力士像は、室町時代の気風を残す逸品として高い評価を得ています。屋根は入母屋造瓦棒銅板葺で、中央の虹梁には花鳥の精緻な彫刻を飾っています。

平和の塔

昭和33年、サンフランシスコ平和条約を記念し戦没者の供養と世界恒久平和を祈願して建立されました。総欅造りの多宝塔で、春には桜、秋には紅葉が美しく、眼下では軍茶利明王を祀った「軍茶利の滝」の水音が涼しげに響く、四季折々の表情を楽しめる場所です。

歓喜院本坊本堂

本殿から200mほど離れた南(熊谷市妻沼1627)に位置します。斎藤別当実盛公の子・良応が行者の修行の場として開創し、同時に御本尊として十一面観世音が寄進されました。春と秋の例大祭や節分会など各行事の際、行列はここからスタートします。

桜の名所

春は境内に桜が咲き誇り、桜の名所としても親しまれています。参道の両脇にはソメイヨシノが並び、実盛公像の前には可憐な枝垂れ桜、また北の林には丈の高いエドヒガンなど、境内各所が桜で埋め尽くされる様は見事です。ひとあし先に咲く河津桜や、秋桜・冬桜なども楽しめます。

妻沼聖天山プチ情報・2「夫婦の木」

本殿右手の鐘楼近くには、エノキとケヤキが仲良く寄り添った、何とも不思議な「夫婦の木」があります。絡み合い、助け合い、力強く古今を生きる神秘な縁結びのご神木です。
お祈りして恋愛成就の御利益をいただきましょう。

妻沼聖天山プチ情報・3「サウンドモール実盛」

境内を歩いていると、何やら唱歌が聞こえてくることがあります。すぐそこに小学校があるから、と思ってしまいそうですが、それは「サウンドモール実盛」から響いてくる唄かもしれません。貴惣門と中門の中間の参道脇に鎮座する、聖天山を開いた斎藤別当実盛公の像。その向かって左側に設置されたサウンドモールは、ボタンを押すと尋常小学校唱歌「斎藤実盛」が流れます。

妻沼聖天山の行事

初詣と妻沼太鼓初奉納〈1月1日〉

元旦は大変多くの初詣客で大賑わいの聖天山。参道には出店がずらりと並び、年越しと日中は鰐口を叩いて本殿へ参拝する人の長い列が貴惣門にまで達します。お守りやおみくじも人気、そして元旦の聖天山といえば「だるま市」と「妻沼太鼓初奉納」。午後から石舞台上で披露される、武州天野流「天鼓会」のメンバーによる妻沼太鼓の演奏は、新年早々に気分が引き締まる勇壮な響きです。

節分会〈2月3日〉

歓喜院本坊から行列してくる福男・福女たちが、本殿にて御祈祷を済ませたあとに、渡り廊下や本殿から盛大に「福まき」をします。大盛り上がりの福まきは昼・夕・夜の3回、豆やお菓子や小銭のほかに地元商店協賛の福品と引き替えられる木札も撒かれます。どこからともなく登場する赤鬼・青鬼や、えんむちゃんも会場を賑わし、こども用に区切られたスペースからは歓声が上がります。大人もこどもも福をキャッチしようと夢中で手を伸ばし、眺めているだけでも楽しい光景です。

春季・秋季例大祭〈4月と10月の18~19日〉

春と秋には2日間に渡って大祭が行われ、多くの人出で賑わいます。18日には午後から奉納相撲大会、本殿脇の相撲場では地元っ子たちの熱い歓声が上がります。南側の通りでは民謡流しやみこし渡御、また石舞台とお祭り広場のステージ上でもそれぞれに催しが続きます。春の1日目には、艶やかな装いの稚児行列もあります。19日目午後には柴燈大護摩火渡り、燃え上がる炎の上を行者が渡る姿は迫力満点です。火を鎮めた後は参拝者も御加持を受けて灰の上を渡ります。

盆祭り〈8月13~15日〉

3日間に渡る聖天山の盆祭りは、石舞台上に櫓が組まれ、連日お盆の供養と盆踊りが行われます。8月15日には戦争殉難精霊追善法要があり、年に一度だけ「平和の塔」の扉が開かれる貴重な機会でもあります。

太田松茸道中〈10月第1日曜〉

太田市から熊谷市にまたがる行事は、江戸時代に行われていた松茸献上を再現したものです。太田の金山でとれた松茸が江戸城まで献上されていたものを、大光院(太田呑龍)から聖天山までの行程に短縮し、大名行列風にアレンジしています。刀水橋の北から歩いてくる太田市の皆様を、橋の南側で熊谷市の歓迎連がお迎えして共に聖天山まで歩き、本殿前で歓迎の式典と松茸献上が行われます。

熊谷めぬま菊花大会〈11月1日~中旬〉

聖天山の参道両脇と石舞台上が、丹精こめて育て上げられた見事な菊の花で埋め尽くされ、多種多様で色とりどりの菊花を楽しめます。大輪の菊から可愛らしい小ぶりな花がまでが揃い、聖天山を開祖した斎藤別当実盛公をかたどった菊人形や、平和の塔を模した力作なども見られます。

 

 

妻沼聖天山重文秘仏御本尊御開扉(平成31年)

平成31年4月16日~22日の7日間は、23年ぶりとなる御本尊の御開扉が執行され、会場となった大師堂では多くの参拝客が列をなして御本尊さまを拝観しました。

期間中は、通常の春季例大祭と同様の稚児行列・相撲大会・火渡りのほか、様々な法要やおもてなし行事がおこなわれ、縁結び通りでは神輿渡御・練り込み囃子などで賑やかに御開扉を祝いました。宮司・巫女・雅楽隊を招いての神式祭礼は、「妻沼聖天山と大我井神社との共同行事は明治時代以来」ということで、「平成」から新時代「令和」への移り変わりを象徴するような光景でした。22日の厳かな柴燈大護摩火渡りで、7日間にわたる祭典が締めくくられました。

バナーをクリックすると御開扉へ

妻沼 聖天様御開扉

交通案内

妻沼聖天山 熊谷市妻沼熊谷市妻沼1511

JR熊谷駅~朝日バス太田駅行・妻沼聖天前行・西小泉駅行で「妻沼聖天前」下車
熊谷市ゆうゆうバス グライダー号・ムサシトミヨ号「妻沼聖天山前」下車
お車の方は聖天山Pまたは坂田医院旧診療所脇の「めぬま観光駐車場」をご利用ください。

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